令和2年度 解決事例一覧 堺市で相続手続・相続登記・不動産の名義変更の相談なら、堺市堺区の司法書士・行政書士吉田事務所へ

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令和2年度 解決事例一覧


司法書士・行政書士吉田事務所で、令和2年度に「相続登記・不動産の名義変更・相続手続き」関係で、ご依頼があった事例、解決した事例を元に、守秘義務に反しないよう、一般化した上でご紹介しています。

また、関連情報もお伝えできるよう、法的な情報としてまとめています。

※令和2年時点の法令等を元に記載していますので、現時点の取扱いとは異なっている可能性があります。
※手続きへの着手の時期、費用の精算時期の関係で、数の集計をしている年度と、事例の紹介をしている年度が異なることがあります。

◎令和2年の解決事例
不動産(土地建物・マンション)名義変更
  
相続・遺産分割による名義変更 (合計51件)  
 ・遺産分割による名義変更 47
 ・法定相続による名義変更
 ・遺言書による名義変更
              
その他名義変更  (合計9件)  
 ・生前贈与による名義変更
 ・売買による名義変更
その他相続手続き
               
その他相続手続き   (合計56件)
 ・預貯金の相続手続き 18
   ・保険の相続手続き   
   ・証券会社の相続手続き  
   ・相続分譲渡証書の作成のみ  
   ・自筆証書遺言書の検認申立  1  
   ・その他相続手続き 
  (端株、友の会)
 
 ・相続放棄申立書類作成 22

<<令和1年の解決事例 解決事例一覧トップ 令和3年の解決事例>>

※「不動産名義変更」の取扱件数には、仲介業者さんが入った、不動産売買の手続きは含めておりません。
※ご相談だけで終了した事案は、取扱件数の計算に含めておりません。

 

相続、遺産分割に関する名義変更

遺産分割による土地建物の名義変更

遠方にも相続した不動産をお持ちの場合

不動産は、自宅は堺にあり。
それに加えて、遠方にも土地を持たれている、というケースも少なくありません。

遠方の不動産であっても、オンライン登記申請システムを使うことで、堺から問題なく名義変更の手続きをすることができます。

また、まとめてご依頼いただく分、基本報酬66,000円のところ、追加管轄分は司法書士報酬33,000円でお受けできますので、遠方の不動産の相続手続きであっても、ご依頼下さい。

大阪市の名寄帳の取得場所

大阪市の場合、どこの役所でも、固定資産税評価証明書を取得できますが、名寄帳の場合は、管轄の市税事務所に限って、発行されています。

大阪市の名寄帳(固定資産課税台帳)は、無料。
その方がお持ちの不動産が、網羅されて出てきます。

売買の前提に必要な売主さんの相続登記

当事務所のお客様は、買主様。

仲介業者さんは、お付き合いのない会社さんでしたが、売主さん側で必要となっていた相続登記も、ご依頼いただきました。

不動産を売却する登記を申請する場合は、先に、売主さん側で相続による名義変更をする必要があるためです。

司法書士は、さまざまなご縁の中で、お仕事させてもらっています。

被相続人の住所証明は「重要!!」と必要書類リストに記載あり

相続登記は、必ずしも司法書士に依頼される必要はありません。

中には、法務局に何度も足を運ばれて、法務局の案内を聞きながら、ご自身で手続きされる方もおられます。

法務局からもらわれた「相続登記に必要な書類」のリストの中に、「住民票(本籍の記載要)又は戸籍の附票」の部分には、『重要!!』と書かれていました。

「登記上の被相続人と、戸籍上の被相続人が同一であることを確認するため。
登記されている住所、氏名が記載されている証明書」という説明文が書かれていました。

被相続人の住所の証明は、相続の登記特有の必要書類です。

改製原附票が出てくる役所と出ない役所があり

過去に改製された、手書きの時代の改製原附票が、役所によっては出てきます

和泉市では、平成14年に改製される前の附票が出てきました。

大阪市でも出てきます。

堺市では、保存されていません。

相続による名義変更には、被相続人の「住所の証明を付ける」が必要という部分で、古い住所の証明が発行されるかどうかは、申請人側にとっては大きな問題。廃棄されず、データーを残してもらえるのは助かります。

【大阪市のサイトから引用】
戸籍の附票の除票および改製原附票の保存期間は、これまで5年間でしたが、法令の改正に伴い、令和元年6月20日より150年間に延長されました。

なお、平成26年3月31日以前に除票及び改製原附票となった戸籍の附票は、保存期間を経過し既に廃棄されているため、交付できません(ただし、大阪市では、戸籍の電算化に伴い平成21年〜平成22年に改製されました改製原附票は、保存期間を延長し保存しているため、交付することができます)。 
未登記の建物が含まれる場合の遺産分割協議

相続財産の中に、未登記の建物が含まれる場合は、遺産分割協議書にも、未登記建物を記載します。家屋番号の部分は、「家屋番号 (未登記)」としておきます。

未登記の建物がある場合、古い建物が多いこともあり、「この機会に、費用を負担して表題登記を」と考えられることは少なく、建物所在地の役所に、「未登記家屋名義変更届」を提出します。

※未登記建物かどうかは、課税明細や評価証明書に「家屋番号が入っているかどうか」で確認できます。「家屋番号」が入っていなければ、未登記の建物です。

被相続人が登記した後、一度別の住所に異動して、また戻った場合 

相続登記には、被相続人が、登記簿上に住所を置いていた証明が必要です。

・登記されたのが平成7年
→住民票で沿革がつくのは、平成17年以降であるものの、同住所ということで、特別な添付書類を付けずに相続登記を申請。そのまま受理されています。

・元々の住所と同じ場所から、住所の記録がスタート。登記S53年。附票63年。
→住所の証明が不完全な内容でしたが、そのまま通っています。

・登記されたのが平成23年。
→登記された後に帰化。外国人住民票の制度が始まったのは平成24年7月9日のため、帰化された後の戸籍の附票でも「住定日平成24年7月9日」としか記録しか出ていないものの、平成23年〜施行日までの住所証明がないまま通っています。

相続人の住所が、現在の住所と相違している場合 

元々、被相続人と共有で持たれていた不動産。

相続登記をされたことで、新たに登記した住所と、元々登記されていた住所が異なることになりました。

「この機会に住所の変更登記をしておきませんか」とお勧めしますと、たいていの方が「この機会に」と言われますが、「絶対にしないといけないのでなければ」ということで、「しない」選択をされることもあります。

この点の判断は、依頼者の方にお任せしています。

被相続人の住所の沿革がつかなかった場合の相続登記

被相続人の登記上の住所の証明がつかない場合、権利証が必要となります。

平成29年3月7日の法務省の通達で、「権利証があれば、相続人の上申書の添付は不要」という取扱いになっています。

それまで添付していた上申書はなしで、「権利証のみ」で相続登記の申請をし始めた時期です。

相続人が海外在住の場合の遺産分割による相続登記

相続人が海外在住の場合、遺産分割協議書に添付が必要な印鑑証明書が添付できません。

海外在住の日本人の場合、現地の日本国総領事館に出向いていただき、サイン証明(署名証明)と在留証明の取得を依頼。

司法書士からメールで送信した文書を領事館に持参していただき、領事館で手続きしてもらった後、国際郵便で事務所に送ってもらい、書類の授受をしました。

登記上の地目が「田」の土地の相続登記

農業委員会に確認したところ、過去に転用の届出がされており、地目の変更登記ができる状態。

相続による名義変更と合わせて、地目も変えておかれることをお勧めしましたが、「最小限度の手続きで構わない」ということで、相続の名義変更だけで完了となりました。

※いつもお話しすることですが、今、確認できたことも、時の経過と共に(特に、お亡くなりになった後の場合)、事情が分からなくなる可能性があります。費用がかかることになりますが、いずれしないといけない手続きであれば、今、しておかれることをお勧めしています。

市街化区域外の土地で評価10万円以下の相続登記

市街化区域外の土地で、評価額が10万円以下の土地は、登録免許税が非課税となっています。

根拠条文は、租税特別措置法第84条の2の3第2項。

【令和4年の税制改正】
非課税の対象となる土地が、全国の土地となり、「10万円以下」が「100万円以下」に改正されています。山林や原野、農地の相続登記については、登録免許税が非課税になるケースがほとんどです。

墓地の相続登記は、登録免許税が非課税

墓地の相続登記は、登録免許税が非課税とされています。

根拠条文は、登録免許税法第10条第5号。

一部建物が滅失済みで、課税明細には出ていない場合

附属建物が一部滅失のため、課税上の表示と登記簿上の表示が相違(登記面積のほうが広い)。

一部滅失済みであるため、本来であれば、表示の変更登記が必要でるあるものの、相続人の方は、そのまま相続登記だけをされることを希望。

課税されていない、床面積の差については、認定基準表に残価率をかけて計算することになりました。

飛び地で名義が残っていた場合の相続登記

固定資産税の課税明細の中で、自宅とは全然違う場所に、土地を所有されていることを確認。

登記上は農地。課税上は公衆用道路であったため、堺市の路政課に引き取りの話をしに行きましたが、「道路であることが前提。境界確定も必要」とのこと。

しかし、「法務局や市税事務所の地図にも出ていない」という状況下、場所を特定する術がなく、そのまま相続登記だけを済まされる、ということになりました。

下の代の方にも事情が伝わるよう、説明文と資料も付けて、お渡ししています。

債務が残っている状態の相続登記と債務引受

抵当権(ローン)が残っている場合の相続登記。

相続による名義変更が終わった後に、相続される相続人が債務の引受けをされる、という話が、金融機関との間で出来上がった状態での、名義変更のご依頼。

金融機関の担当者とも連絡を取らせてもらい、相続登記〜債務引受けによる抵当権の変更登記をさせてもらいました。

※団体信用生命保険が適用される場合は、ローンは完済扱いで、抵当権は抹消登記をすることになります。

用悪水路の登録免許税

農地や用悪水路で、評価証明書上、土地の課税面積と登記面積が違うケース。

評価額÷課税面積×評価面積で、u単価を出して、登録免許税を計算。

固定資産税が非課税の用悪水路は「評価額〇〇〇円」と記載あるものの、これも登記面積と課税面積が違うため、同様に計算。

u単価という意味ではない様子のため、公衆用道路も0.3掛けずに計算しました。

※評価証明書の様式、記載の方法は、自治体によって多少異なります。

法定相続情報証明(海外居住者の住所の記載)

法定相続情報証明に、相続で登記名義人になる相続人の住所が入っている場合、法定相続情報証明の原本を付ければ、住民票は付ける必要がありません。

相続人の中に海外在住の方がおられる場合、戸籍の附票の記載を元に、法定相続情報証明で、相続人の住所を「〇〇国」として申請してみましたが、海外におられる日本人について、法定相続情報証明に住所を入れたい場合は、在留証明書=相続登記に付ける書類と同様の書類が必要とのことでした。

売却代金を分ける方法(換価分割)による遺産分割協議

不動産の名義は、特定の相続に変更するものの、後日、不動産を売却し、売却代金を分割する場合は、その文言を遺産分割協議書に入れておきます。

下記不動産は、相続人Aが相続する。

【不動産の表示】
・・・・・・

なお、上記の不動産に関しては換価分割の対象とし、Aは取得後換価し、処分に要した諸経費を控除後、他の相続人Bに対し、2分の1を分配する。 
不動産の買付が入った後の相続登記

不動産業者さんからのご紹介で、不動産売却の準備を事前に進められており、買付が入った状態で、相続登記のご依頼がある場合もあります。

売買のスケジュールも見据えて、遺産分割による名義変更を進めます。

※売却の前提に、権利関係を確定させるため、売買の前に、相続による名義変更を済ませるようにしています。

あえて遺言書と違う内容の遺産分割をされる例

遺言公正証書があるものの、遺言書の内容どおりに登記をすると、権利関係が複雑になったり、全員が困られるような場合、相続人全員の合意により、遺産分割協議を行うこともあります。

・遺言書を作成する時点で、専門家に相談されていなかった
・事情の変化により、遺言者の意向に沿うと、不都合が出る

背景としては、そんなことが考えられます。

今回の事例では、不動産の特定として、1筆の土地の「東側半分」「西側半分」といった表記がなされており、いずれにしても、そのままでは相続の登記ができません。

相続による名義変更をするとしても、分筆が必要(遺言書だけでは、相続登記ができない)という事情がありました。 

※相続人の負担を考えると、事前に分筆登記をした上で、遺言書を作られることが望ましいです。

完済済みの担保が残っていた事例

相続による名義変更のご依頼を受けた際、古くに登記された抵当権や根抵当権の登記が残ったままのことに、司法書士が気付くことがあります。

「この機会に抹消しておきましょう」ということで、金融機関へは、依頼者の方から連絡してもらうこともあれば、司法書士から連絡することもあります。

根抵当権であれば、債務が完済になっていても、抹消するための書類が金融機関に残っている可能性があります。根抵当権は、融資の枠が登記されていますので、完済されたとしても、同時に抹消されるとは限らないためです。

一方、抵当権の場合は、完済になった時点で、当時の債務者に、抹消書類が渡されている可能性が高いです。まずは、自宅の中に、書類がないか、探していただくことになります。

コンピュータ化されていない建物の相続登記

建物の登記簿が、コンピュータ化されていない建物(改製不適合物件)の相続登記。

改製不適合物件とは、何らかの事情で、コンピューター化されていない不動産です。登記簿謄本も、昔の簿冊形式で出てきます。

オンラインでの登記申請は不可。

相続登記には、昔の副本と同じ様式で、申請書の写し=「規則附則第15条第2項の書面」を添付。同書類に、法務局が「登記済」のスタンプを押印されて、権利証となりました。

遺言書による土地建物の名義変更

韓国籍の相続で、韓国領事館への死亡届が必要かどうか

被相続人が韓国籍の、公正証書遺言による相続登記。

日本籍の相続であれば、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本を添付すべきところ、韓国籍の相続の場合、多くの事例で、韓国領事館には死亡の届出がなされず、韓国の基本証明書を取得しても、韓国戸籍では生存したままとなっています。

今までの例では、死亡の記載がある住民票を、事実上、死亡を証する書面として扱ってもらったこともありましたが、今回は亡くなられて直後の依頼。
 
「韓国には死亡届を出さない」という相続人の意向を法務局に伝えましたが、法務局からは「死亡届を出して下さい」と言われたため、相続人に対応してもらいました。

また、日本籍の遺言書による登記と同じく、家族関係証明書は添付せずに(住所証明書は、被相続人・相続人共に添付。死亡の記載がある基本証明書。相続人の現在の戸籍謄本)、遺言書による相続登記が通っています。

相続人が遠方在住で、不動産が大阪の場合の相続登記

自筆証書遺言の検認手続が必要な場合の相続登記は、ご紹介で、遠方からのご依頼。

初回のご相談と、裁判所の検認期日だけ大阪に来ていただき、後の書類のやり取りは、郵送にてさせていただきました。

※自筆証書遺言の検認申立書類の作成は、裁判所提出書類の作成として、司法書士の業務です。
※検認の手続きを管轄する裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する、家庭裁判所となります。
※検認期日には、司法書士も同行し、検認済み証明書が付けられた遺言書をお預かりします。

その他名義変更

生前贈与による土地建物の名義変更

住宅ローンが残っている場合の不動産の生前贈与

住宅ローンの契約書には、「住宅ローンの契約中に、名義を変える場合は、金融機関に届出をするように」と、元々の契約書に書かれていることがほとんどです。

住宅ローン返済中に、金融機関に断りなく名義を変更すると、契約違反ということになりますので、贈与の名義変更に際して、そのリスクはお伝えするようにしています。

住宅ローン設定の前提となる土地の一部贈与

住宅建築用地の一部が、先代名義のまま。

子が住宅建築をするため、住宅ローンの契約の条件として、一部分筆して、契約者名義の子とすることを、金融機関から言われていたため、まずは父名義に相続登記。

続いて、分筆後の土地の一部を、子に贈与による名義変更し、その後、住宅建築の手続きへと進まれました。

※祖父名義の不動産を、直接孫名義に変更することはできず、段階を踏んで行うことになります。

親子間での不動産の生前贈与(相続時精算課税制度の利用)

司法書士への贈与による名義変更ご依頼時、「税理士さんへの紹介」をご希望されている場合は、住宅地図、公図・地積測量図は、実費だけいただき、司法書士が用意。

税務署への申告がスムーズに進むよう、依頼者の方の了解を得て、税理士さんに資料をお渡しするようにしています。

相続時精算課税制度を利用した親子間の売買に限らず、婚姻期間20年が経過した夫婦間贈与でも同様です。

贈与に際して、贈与する人の住所が変更になっている場合

贈与による名義変更には、贈与する人(現在の所有者)の印鑑証明書が必要です。

印鑑証明書の住所が、登記上の住所から変更になっている場合は、先に住所の変更登記を先にしないと、贈与による名義変更が受理されない、ことになります。

住所の変更登記に必要なのは、住民票や戸籍の附票です。

権利証を紛失されている場合の不動産の生前贈与

贈与による名義変更には、権利証が必要です。

権利証を紛失されている場合、権利証の再発行はできないため、

1.司法書士が本人確認情報を作成するか
2.事前通知を使うか

の選択となります。

第三者間の売買の場合と違い、贈与の場合は、当事者間が夫婦・親子など、元々の人間関係があり、不履行のリスクがないのがほとんどです。費用のかからない、事前通知を使う例が多くなっています。

事前通知の場合は、権利証がないまま登記の申請をすると、法務局から確認の郵便物が届きます。

「本人限定受取郵便」という、特殊な郵便で届きますので、郵便局に受け取りに行ってもらうか、配達日時を指定して郵便局に連絡し、受け取っていただく。

その後、実印を押してもらって、法務局に提出する、という工程が必要となります。

※権利証がなくても手続は可能ですが、少し手間がかかることになります。

法人から法人代表者への不動産の贈与

リゾートマンションの名義変更は、法人から法人の代表者に。

会員権は、所有者の名義変更後に変更。
別途、名義変更の手数料が必要で、通常の登記費用以外にも、費用がかかりました。

売買による土地建物の名義変更

売主の成年後見人の場合で権利証がないケース

権利証がないため、司法書士が、成年後見人の本人確認情報を作成し、売買による名義変更の申請。

本人確認情報作成に際し、後見人の運転免許証のコピーが必要となります。

後見人の事務所住所と自宅住所が違う点は、司法書士会や弁護士で証明書(自宅住所と事務所住所を併記されたもの)を取ることで、登記は可能となっています。

隣地所有者間の個人間売買

一部分筆をした上での、隣地所有者への売買による名義変更。

すでに分筆の登記に着手されていた土地家屋調査士さんから、売買の対象となる土地の情報をもらいながら、司法書士が売買契約書等を作成。

固定資産税の日割計算も行った上、売買による名義変更を行いました。

※個人間売買では、通常、仲介業者さんがされている役割の一部を司法書士が担いますが、重要事項説明書を作成することはできません。

建物未登記のまま個人間売買

建物が未登記の場合、売買される時は、建物の表示登記・所有権保存登記をした上で、所有権の移転をされるのが一般的です。

建物の登記がないと、第三者に、所有権を主張することができないためです。

今回は、別荘地の売買。かつ、融資なしの現金での売買ということで、建物の登記をされることなく、売買を成立させられました。

住所地の役所に、未登記建物の名義変更届だけ、提出しています。

※未登記のままの建物売買は、買主さんが未登記のリスクを十分に理解されていることが前提です。

公衆用道路に地目変更をした上での個人間売買

現況は、公衆用道路。
雑種地として課税されている場合の、登録免許税の計算方法について、法務局に照会。

地目変更の日付は過去の日になる、という前提がありました。

論点として、通常、公衆用道路の移転については、近傍宅地のu単価の0.3を乗じるところ、令和2年1月時点で、「雑種地」として課税されている点。
 
A.その後に公衆用道路に地目が変わった場合は、雑種地のままでよいのか、近傍宅地による計算にするのか。
B.過去から公衆用道路だった場合と、令和2年に公衆用道路になった場合とで違いが生じるのか。
    ↓
例えば、農地法4条の許可を取って、農地から宅地に地目を変更した後の移転であれば、近傍宅地基準になります。「同じように考えると、ABいずれも、公衆用道路として、近傍宅地の0.3を乗じることになるのではないかと考えます」と意見を出して、法務局の判断を仰いだところ、

雑種地の評価で、すでに宅地の0.3程度であるため、そのままの評価で、公衆用道路の売買の登記を申請しても構わない、という回答を得た上で、名義変更を申請しています。

財産分与による土地建物の名義変更

協議離婚に伴う財産分与による名義変更

離婚公正証書の作成支援のご依頼も受けていたため、当事者が出席された公証役場にて、財産分与による不動産の名義変更の書類にも捺印をいただきました。

「公正証書作成→離婚届→法務局への名義変更」という順序で、離婚に伴う一連の手続きを進めています。

※財産分与の登記原因の日は、離婚の日か、離婚の日の後になります。

事実上財産分与であるものの、売買で住宅ローンも完済

離婚に伴う夫婦間の財産の清算方法は、さまざまなケースがあります。

事実上、財産分与になるものの、住宅ローンを完済して、住宅ローンの清算をする必要がある、という場合。

不動産の権利を得る側が、お金を出して、不動産の権利を買取り(売買)。
売買代金も含めて、住宅ローンの完済資金に充て、ローンを清算された、という事例では、妥当な売買代金の考え方について、税理士さんに聞きながら進めています。

※住宅ローンの清算に際しては、親族の援助で行われることもありますが、税務上問題にならないよう、登記の入れ方にも気を配ります。

住所や氏名の変更による表示変更登記

会社の「地番変更」による本店の表示変更

会社の登記簿で、「変更」という理由で、本店の地番だけが変更になっていたケース。

役所で調べたところ、区画整理によるもので、地番変更の証明書を出してもらうことができました。

「地番変更」で、まずは本店の表示変更登記。
その後で、本来行いたい名義変更の登記を申請します。

役所の都合による「地番変更」の登記。登録免許税は、登録免許税法第5条5号により非課税です。

登記した後に氏名の漢字を変更された場合

財産分与による名義変更をする前提に、登記義務者の氏名の漢字が、読み方が同じであるものの、変更されていた事例。戸籍には、「更正」とされていました。

この場合、
1.名変登記不要
2.登記原因は錯誤での更正登記
3.変更での変更登記

どの考え方が適切かと、法務局に相談したところ、「1」の登記不要と回答を得て、名義変更の手続きを進めました。

戸籍上は更正と書かれていても、別字であり、登記後に発生した事項でもあるので、変更登記をすべきではないかと考えていました。

その他相続手続き

遺産承継・預貯金の相続手続き

預貯金の相続手続き

遺産承継業務として、預貯金の解約手続きをした金融機関は下記のとおりです。
相続人全員から遺産承継業務の委任状(印鑑証明書付)をお預かりした上で、手続きを進めました。

ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行、関西みらい銀行、尼崎信用金庫、池田泉州銀行、大阪信用金庫、大阪厚生信金、大阪信金
証券会社の相続手続き

・三菱UFJモルガンスタンレー証券
 所定の「相続資産受取依頼書(分割協議書)兼特定口座移管依頼書」を提出。
 相続人全員の署名捺印必要。
 同時に、相続人名義で、「証券総合取引申込書」を提出。
 新たに開設された、相続人の口座に移管することで、相続手続きが完了。
 →司法書士は、窓口になるのみで、書類への捺印は、相続人の方に直接してもらいました。

その他の相続手続き

・不在者財産管理人選任の申立
 相続人の中に、行方の知れない方がおられる場合、遺産分割協議ができません。
 今回のケースでは、住民登録自体がない状態でした。
→裁判所に、不在者財産管理人の選任を申立て。
→司法書士が不在者財産管理人に就任。
→他の相続人とも、連絡を取り合いながら、「帰来時弁済型」の遺産分割協議をすることで、未解決のお金が残ることなく、遺産分割が完了。

相続放棄申立書類作成

相続放棄と市営住宅の契約者の地位

相続放棄を予定されている相続人の方が、そのまま市営住宅に住む場合、相続になるのか。

相続放棄をすることで、住む権利がなくなるのか、と担当部署に確認してもらいながら進めたところ、「相続ではない」という結論に落ち着きました。

未支給年金の請求と相続放棄

未支給年金は相続財産ではない、とされています。

相続放棄をされた場合でも、年金事務所で手続きすることで、未支給年金を受け取ることができます。

役所から支給される葬祭費も同様です。

2回の相続放棄が必要になることも

子として相続放棄をすると、次順位の直系尊属が相続人となります。

子の相続放棄が完了した後、すぐに直系尊属にあたる方も亡くなられ、代襲相続が発生。短期間に2度の相続放棄が必要になった、という事例があります。

借金の有無は相続放棄の可否に左右されません

相続放棄の理由に、「借金があること」は必要ではありません。

「長期間会っていない。相続に関わりたくない」という事例でも、「相続開始を知ってから3か月」の要件を満たすことができれば、問題なく受理されています。

生活状況が分からないため、「借金があるかどうか分からないけれど、後で出て来たら困るため」というケースもあります。

音信がないまま、孤独死されたようなケースも、増えています。
警察から連絡が来て、亡くなられたことを知られた、という例も含みます。

甥姪の相続放棄

甥姪の相続放棄になると、集めないといけない戸籍謄本も増えます。
先順位相続人がいないことの証明、も必要であるからです。

できるだけ、連絡の取れる方とは、一緒に相続放棄の手続きをされるよう、お勧めしています。

ご依頼があれば、債権者には、司法書士がまとめて、相続放棄の手続きが受理されたことを知らせる手紙をお送りしています。



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