公正証書遺言の作り方
公正証書遺言
公正証書遺言は、公証役場で遺言者が遺言の趣旨を口頭で述べ、公証人に作成してもらう遺言です。
自筆証書遺言と違い、費用がかかりますが、原本が公証役場で保存されますので、紛失や改ざんの心配がありません。
また、自筆証書遺言と違い、家庭裁判所での検認手続が不要なため、相続開始後の手間は軽くなります。
公正証書遺言を作成してもらう公証役場は、どこの役場を利用しても構いませんので、ご自分の都合のいい役場を選べます。
例えば、大阪府内には11か所=梅田(大阪市北区)、平野町(大阪市中央区)、本町(大阪市中央区)、江戸堀(大阪市西区)、難波(大阪市浪速区)、上六(大阪市天王寺区)、枚方(枚方市)、高槻(高槻市)、堺(堺市堺区)、岸和田(岸和田市)、東大阪(東大阪市)の公証役場があります。
当事務所では、地理的に、堺と岸和田の公証役場の利用が多くなっています。
なお、公正証書遺言が作られているかどうかは、公証人の検索システムで調べることができます。
生前であれば遺言者本人が、死亡後であれば、相続人や受遺者が、公正証書作成の有無を検索することができます。
公正証書作成の流れ
- 遺言書作成の事前準備
遺言内容を考える
(どの財産を誰にどれだけ渡すのか、できるだけ具体的に遺言内容を公証人に伝える必要があります。事前に遺言内容をリストアップし、メモにして持って行くとスムーズに進みます)
- 司法書士・行政書士等専門家にサポートを依頼する場合は、遺言書の原案作成の段階からのアドバイスと、公証人との打ち合わせの代行も依頼することができますので、当日、公証役場に出向くだけで済みます。
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- 証人(2人)と一緒に公証人役場へ。
※司法書士や行政書士等の専門家が関与している場合、証人も、司法書士や行政書士に依頼することができます。
- 公証人が本人確認をし、遺言者が遺言内容を伝え、公正証書遺言を作成。
法律上は、「遺言者が遺言の内容を口頭で伝える」ことになっていますが、実務上は事前に公証人に内容を伝え、事前に原稿を作ってもらった遺言書の確認作業が行われます。
- 内容を確認した後、遺言者と証人が署名捺印をする。
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なお、病気等の理由で、遺言者が公証役場まで出向けない場合は、公証人に出張してもらうこともできます。
公正証書遺言作成の必要書類
印鑑証明書及び実印 |
遺言者の本人確認のために必要。 |
戸籍謄本 |
遺言者と相続人の続柄がわかるもの。 |
(住民票の写し) |
相続人以外に遺産を譲りたい(=遺贈)と考えている場合、受け取る人のものが必要となります。 |
不動産の登記簿謄本
固定資産評価証明書
預貯金の口座番号、等 |
遺言書に財産を特定して記載するためと、公証人の手数料算定のため。 |
証人(2人) |
公証役場で遺言書が出来上がるまでの間、立ち会うことになります。
《証人になれない人》
・ 未成年者
・ 推定相続人、受贈者、それらの配偶者及び直系血族
・ 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人 |
公正証書遺言の手数料(公証人手数料令抜粋)
公正証書の
作成報酬
(受遺者が2人以上の
場合は受遺者単位)
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遺産の金額・内容 |
公証人の手数料 |
100万円まで |
5,000円 |
200万円まで |
7,000円 |
500万円まで |
11,000円 |
1,000万円まで |
17,000円 |
3,000万円まで |
23,000円 |
5,000万円まで |
29,000円 |
1億円まで |
43,000円 |
以下超過額5,000万円までごとに、3億円までは13,000円加算 |
- 遺産の合計額が、1億円以下の場合には、上記の表で計算した金額に11,000円を加算します。例えば、遺産が2,000万円の場合は、23,000円+11,000円=34,000円になります。
- 手数料は、遺産をもらう相続人、受遺者ごとに計算します。
例えば、遺産が1億4000万円で、1人が全部を相続する場合は手数料56,000円。
相続人が2人で1億円と4000万円をもらう場合には、43,000円+29,000円=72,000円です。
- 以上は、公証人の手数料であり、司法書士や行政書士等に遺言書作成のサポートを依頼する場合は、別途専門家の報酬が必要となります。
公正証書遺言作成 司法書士の基本報酬
司法書士に手続きの支援を依頼いただく場合は、司法書士の報酬(税込)が必要となります。
文案作成と、公証人との打ち合わせを行い、当日、公証役場に行っていただければ、遺言書が作れるように段取りします。
★公正証書遺言の作成支援
■打ち合わせを、司法書士の事務所にて行う場合
・原案作成
・戸籍謄本等収集
・作成当日の証人2人分日当 |
121,000円 |
■打ち合わせを、司法書士が出張して行う場合
・原案作成
・打ち合わせ日当
・戸籍謄本等収集
・作成当日の証人2人分日当 |
165,000円 |
※ |
遺言書の内容が複雑になる場合や、相続財産の数が多い場合は、加算になることもあります。 |
◎ |
打ち合わせが休日・夜間になる場合は、基本報酬が20%加算となります。 |
★ 司法書士行政書士吉田法務事務所からのご案内 ★
相続開始後に検認手続がいらないこと、有効無効の問題が生じにくいこと、紛失の心配がないこと等の理由で、遺言書作成のご相談があった場合、基本的には公正証書での作成をお勧めしています。
遺言書の作成時に費用は掛かりますが、残された相続人の方に、できるだけ負担を掛けないように、有効無効の問題が生じにくいように、といった面からも考えても、公正証書にしておくメリットはあると考えています。
当事務所では堺市在住の依頼者の方が多いため、堺東駅前の公証役場を利用することが多いですが、遠方であっても、依頼者の方が一番便利な公証役場を利用するようにしています。
相続・遺言・名義変更のご相談は、堺市堺区・三国ヶ丘駅近くの司法書士・行政書士吉田法務事務所へ
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